◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇
11日、警視庁は初めてという次のような集計結果を発表しました。「2024年に一人暮らしの自宅で亡くなった人は7万6020人で、内76.4%の5万8044人が65歳以上の高齢者だった。年齢別では85歳以上が1万4658人と最も多く、75〜79歳が1万2567人、70〜74歳が1万1600人と続いた」
この報道を見て私は「まあ、そんなモンでしょう。びっくりするような数字じゃない」と思いましたが、あなたはどうお思いになりますか。戦後80年、家族が居ても高齢になれば一人暮らしになるのは、国の指針「核家族化推進」に見合った結果でしょう。敗戦時生まれの私も自宅でその日を迎えたいと今も思っていますからその一人になる予備軍です。
しかし、政府は"問題視"しているようで、「政府は集計されたデータを土台として、必要な施策を検討する」そうです。何が問題なのかというと、「65歳以上の遺体のうち、死亡推定時点から発見までにかかった日数は『当日から1日』が最多で39.2%、『1ヵ月以上』は7.8%にあたる4538人だった」からのようです。つまり死亡発見が『1ヵ月以上』も掛かった方たちが4538人(7.8%)もいらしたという事実に問題を見い出したということのようです。
政府は24年4月施行の「孤独・孤立対策推進法」で、孤独や孤立を「社会全体の課題」と位置づけていて、ワーキンググループを立ち上げ、孤独死・孤立死の実態把握を進めていたそうです。その中で、死後8日以上経過していたケースについては「生前に社会的に孤立していたことが強く推認される」とした、とのこと。2024年では全年齢で2万1856人が当てはまる、としています。
高齢者層ばかりでなく単身世帯は増加傾向にあります。雇用労働者であれば、無断欠勤すれば雇用者側から問いかけがあり早期に発見されることでしょう。しかし、失職中だったり、フリーランスだったり、リタイア後だったりすると発見は遅れることでしょう。以前は「孤独死」を話題にしていました。今は「孤立死」も問題としているようです。
一人暮らしだからと言って"孤独な人"とは感じていないので、孤独というのは本人の自覚・感覚だというのが私の見方なのです。しかし、"孤立"は本人が自覚していなくてもそのような立場になっているような事態はあるように思っています。自宅に居ても死に至ることはあります。病気だけでなく、事故・事件も死因になることもあります。一人暮らしであれば、毎日決まって顔を合わせる人や何かを届けてくれる人、電話やLINE・mailを取り交わす人、を持っていると心安らかな日々になるのではと思っています。
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