◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇
「103万円の壁」って、金額が変わるだけで存続するのですね。この「壁」って無くなればいいのにと思っていた私は「あーぁ」と吐息です。与党だけでなく、野党さんも数字が違うだけで、"廃止"ではないのですものね。
「自民、公明両党は2025年度税制改正で、所得税の課税最低限「年収103万円の壁」を見直し、「計20万円引き上げると決めた」(12月20日)のですものね。また、厚生労働省の社会保障審議会年金部会は12月10日、第3号被保険者制度の廃止を年金法改正案に盛り込まない方針を決めたのですものね。
■「103万円の壁」っていつから立っているのでしょうか?
「基礎控除」と「給与所得控除」の最低保障額は1995年から103万円(基礎控除38万円+給与所得控除の最低保障額65万円)に引き上げられて以来、28年間据え置かれていると、webに出ていました。また「2020年に基礎控除が10万円引き上げられましたが、給与所得控除の最低保障額が10万円減らされたので、103万円の壁に変わりありません」と出ていました。それ以前は、1984~1988年90万円(=33万円+57万円)、1989~1994年100万円(=35万円+65万円)と、改定されていたと出ていました。
私が所得税の課税最低限「年収103万円の壁」が撤廃されればいいのにな、と思っているのは、ひとりごとNo.512「『103万円の壁』は無くせないのか! 何故?」に書いた理由です。この制度は世帯主(配偶者)が正規の雇用労働者(公務員・会社員)の家庭の話です。家族経営が多い農林水産業等や商業などは、「年収103万円の壁」だけでなく「106万円の壁」「130万円の壁」という「防御壁」もなく、納税制度や社会保険料に組み込まれて生活しています。職業や家族構成により、それらの制度に加入・恩恵が異なるなんて…。
大学生のアルバイトや多様な働き方に関する「壁制度」の別枠策も聞こえてきていますが、家族の構成も事情も様々です。親がいないに等しい境遇の方もあれば、雇用労働者の平均生涯所得と同等以上という年収の家庭の学生たちもいます。「家族依存型国家運営」から脱却して、「個人単位の制度」を考えていただけないでしょうか。労働力の調整をしないで、一人ひとりが自分の能力や希望で労働や社会に貢献できるようになればと…。
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