No.511◆「若年有権者層が動いた」兵庫県知事選が示したことは

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

今朝(11月18日)、朝一番に観た新聞の1面に「兵庫県知事選挙、斎藤元彦氏再選」の見出し。「えっ?」っと思わず声が出ました。他県の知事のコトなので関心があったとは言えないのですが、選挙戦前の新聞やテレビでは、斎藤元彦前知事がとても再選されるとは思えない報道ばかりだったからです。この選挙は斎藤元彦前知事の失職に伴う選挙だったわけですから。

 

一地方の知事の行状ですが、百条委員会からの不信任全会一致、パワハラ疑惑(問題が事実であったどうかはともかく)等々、全国向けに大きく報道されていました。メディアの多くは斎藤氏に批判的な報道ばかりでしたから(私は氏が立候補するとは思っていなかった)。

 

宅配は日経新聞だけなので急いでパソコンの『Yahoo!ニュース』で閲覧。その記事は、意外だった結果と予測が外れた原因ばかりが出ていました。私流にまとめると…投票率は2021年に行われた前回の知事選が41.1%だったのに対して、今回は55.65%と14ポイント以上も上昇しており、若年層の活動が貢献したと報じています。

 

NHKの出口調査では、投票する際に何を最も参考にしたかは、「SNSや動画サイト」が30%とテレビや新聞よりも多く、この内70%以上が斎藤氏に投票したと回答。日本経済新聞社などの出口調査で、年代別では10〜30代はいずれも斎藤氏を選んだ人が60%を超え、また、60歳以下でも同氏が最多だったそうです。

 

10月27日の衆院選では「シルバー民主主義」是正のための「選挙権18歳以上」が実施されましたが、若年層の投票率は低迷していました。11月17日の兵庫県知事選では、若年層のSNSへの投稿を担う約400人のボランティアスタッフが状況を変えたといいます。

 

選挙戦は主義・主張から情報戦に移行しているのではないでしょうか? ということは、所属する政党・団体重視から、利活用している情報源重視に変化していると言えるのではないでしょうか。新聞・テレビ・機関誌ですか? 年齢・職業・居住地・国籍等々からの現時点での自由な多数の発言の読めるwebやSNSでしょうか? 信頼する情報源は何処にあるのでしょうか? あなたの選択肢は? ちなみにこの知事選の立候補者7名は全員「無党派」でした。

 

今月15日、私は80歳になりました。情報は宅配の日経新聞とパソコンとテレビです。SNSにはアクセスしていません。理由は視力です。眼鏡を探してから見るスマホが面倒なのです。あるTV番組で、高名なシンクタンク理事長が「老人の1人暮らしが問題となる理由は、社会から隔絶して、情報面でも、新聞も読まない、SNSの情報も届かないという類のところで判断する、という危険ですよね。」とおっしゃっていました。

 

私は新聞・テレビという「オールドメディア」派かもしれませんが、SNSよりも規制の掛かっている新聞・テレビの方を信頼しています。リタイア後の高齢者は時間的余裕を活用し、じっくり情報を精査していますよ。