◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇
前回506号の「身元不明の遺体は『法的には生きたまま』! 本当?」は、本当でした! 昨日18日の読売テレビ(日本テレビ系)「情報ライブ ミヤネ屋」で、この件を取り上げていました。(506号と合わせてお読みください。)
2023年6月11日、京都市内のファストフード店で倒れ、病院へ救急搬送された男性が、約1週間後の6月19日午後死亡した。死因は脳出血だった。2024年1月9日の官報によると、男性の本籍は不詳で、死亡時の推定年齢は46歳、現住所も所持品から判明。しかし1年以上たった今でも「法的には生きたまま」! 報道から察するに、理由は親族による本人確認が取れていないから、のようです。
この男性は「法的には生きたまま」なので、今でも郵便物が届き、その中には自動車免許証の更新お知らせもあると言います。それでも「本籍不詳」が解けないのでしょうか。住人不在の自宅の公共料金は自動引き落としなのでしょうね、使用量0のまま通知だけは来ているようです。
留守宅は「空き家」ではありません。この戸建ては住宅ローン残が無いので、家主の死亡が確認されなければそのままに、だそうです(ローン残があれば、半年で競売に)。市の担当者によると、現時点では損傷などが無ければ空き家として対応できない。今後痛みが出てきた場合、親族を調べるなどして、空き家状態の解決に向けた対策を講じる、と。
お隣さんは「冬場に水道管が凍結したら困るので、止められないか」と水道局に問い合わせたが、「家族以外からの依頼は無理です」。行政の空き家相談にも話を持ちかけたが、「1年以上たって、瓦屋根が落ちないと対応は無理ですね」との答えだった。民生委員に頼んで病院に問い合わせたものの、詳しい状況を知ることはできなかったと。また、警察官に調べてもらえないか頼んだが、「事件性がないし、玄関も施錠されていてタッチできない」と言われた、と出ていました(10月10日『47NEWS』)。
「行旅死亡人」は1年経っても「法的には生きたまま」というこの"ミステリー"はなぜ存在しているのか?と凡人の私(?)が考え着いたのは、「身元は親族に確認してもらうしかない。親族でないとダメ。戸籍上の証明にならない」です。今の社会がこんなことでいいのでしょうか? 高齢になると料金の請求書をもって支払いに行くことは避けています。人口減の地方だけでなく、DX推進の今、支払いのできる機関も近隣から遠ざかっています。死亡届が出されないまま、遺産から延々と公共料金等が引き落とされ…住居は朽ちて。
写真付きの公的カードの所持と「身寄り=3親等」の維持が必須というのを変える法制度が必要なのではないでしょうか。今国政選挙の真中ですが、話題にはなっていませんよね。
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