◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇
埼玉県議会が「子ども虐待防止条例改正案」を本会議で撤回を承認したというニュースを13日に視てホッとした人は多かったのではないでしょうか。
埼玉県「子ども虐待禁止条例」の一部改正案は県議会の最大会派自民党県議団が、子どもが放置されることにより危険な状況に置かれることを防ごうと、4日県議会に提出し、そして6日に審議。可決しました。そして10日自民党県議団は、世論の反対攻勢を鑑み取り下げを発表、そして13日に本会議で撤回を承認!
改正案では1例ですが、小学3年生以下の子どもを家などに残したまま保護者などが外出することを禁止するとともに、4年生から6年生については禁止ではなく努力義務としています。子どもを家などに残したまま保護者などが外出するといった放置は「虐待」にあたり、子どもたちだけの自宅での留守番、子どもたちだけでの登下校も該当するとしてきました。
2人の子育てをした身としては、留守番も教育の一環でした。転勤族の家族としては祖父母や親戚、近隣に長いお付き合いのない環境の中で、トイレにいる間も歯医者などクリニックへ行くにも、理容院・美容院に行くにも作戦と手配と"言い聞かせ"等の教育が必須でした。留守中の緊急時への対策も取りました。
その重点は"信頼"でした。例えば風雨の中のゴミ出しでは「テレビのこの番組が終わるまで待っていてね」と言い、時間を守ること。これは病時などでは大変役に立ちました。約束を守ることの大切さと信頼関係の構築を教えたと思っています。そして子供との関係だけでなく、親の病時や介護の時も役立ちました。
生活共同体としては、各自の行動の"可視化"が安心を育むのではないでしょうか。核家族世帯が標準の今の日本で、親子の密着を促すのではなく、社会資源や情報ツール等の利活用を提案する方が現実的ではないでしょうか。
この「案」が撤回されて私がホッとしたのは子育て期だけではありません。病時や障害時、災害時、高齢期、等々、核家族化から単身世帯化し、少子高齢化がますます進む今、血縁のリアルな付きっ切りの見守りは無理です。「家族に頼らなくてもよい社会」の構築・提案を考えていってほしいと思うからです。
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