◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇
広島市に本社を置く給食提供等を手掛ける会社Hが突然業務停止をし、委託している給食施設は大混迷というニュースに思わず「えっ!」と声が。給食提供契約先と言えば学校・寮・会社・高齢者等各種施設など、生活の一部を集団としているところ。当然昼食や3食等が既定の時刻に提供されるのが前提で日々を安心して迎えている処でしょう。しかも夏休み明けの9月1日にそれが判明した施設の利用者や管理者はどれだけ困惑したことでしょう。
報道では、この会社が自己破産の申請を検討していることがわかり、各契約先では委託先の変更などの対応に迫られているとか。"食の外注化"は"贅沢"や"食の手抜き"ではなく合理的なシステムとして普通に受け入れられています。急に「各自対応を」と言われても、どうしようもない給食受給先は多いことでしょう。
報道によると長崎県内では、寮の食堂やカフェテリアの運営を委託していて、学校では現在、別の業者に運営を変更することができないか調整するなど対応を迫られているとのこと。このほか、別の学校では、H社のスタッフがボランティアで調理を行い、食事の提供が続けられていて、対応を検討しているという報もありました。
22人の寮生への食事の提供が止まったというある高校では、学校や寮の周辺にコンビニやスーパーがなく、7日からは教員が出勤途中に朝食用のサンドイッチなどを購入して寮生に渡すと言い、夕食はレストランの弁当などで確保する、とか。特別支援学校や食事に配慮の要る幼児・児童の居る施設・学校の例も出ていました。
全国で150ヵ所ほどあるという提供先には、きっと高齢者施設や乳幼児施設もあるのではと思うと想像するのも辛くて思考停止になりました。何が無いよりも困るのは食べ物です。人間はもちろんすべての生き物はまずは食べ物の確保が最重要です。私も"主婦"を引き受けた日から、外出や出張等、どんなことがあっても家族の3食の確保・準備・指示だけはしてきました。今は自分のことと仏前へのお供えだけが日々の任務ですが。
H社は同業者との競合による受注価格の低下、コロナ禍で受託先である学校や官公庁などの食堂運営が休止となったほか、テレワークやオンライン授業の導入で食堂売上が減少し、採算性は低調になり、債務超過に陥っていたとの報もあります。が、街の食堂ではないのですから契約先が対応する時間的余裕を考慮した通知ができなかったのかと…。善意の助っ人や団体の素早い支援の手が届きますことを祈っております。
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