No.445◆マイナンバー利用の公金受取口座になぜ別人口座を登録したの?

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

"マイナンバーひも付け制度利用公金受取口座"に別人の口座が登録されているケースが13万件以上存在しているという6月7日のデジタル庁発表を受けて、6月8日のテレビ各局のニュース系番組は、この問題を取り上げていました。システムミスか人的ミスか、申請者の誤解か? どのミスもあったそうですが、誤登録で一番多いのは「制度の事前周知不備」だったようです。

 

会見をした河野大臣「他人の口座が誤登録された可能性が高いものが748件。本人名義ではなく、「本人があえて、家族の口座を登録したと思われるものが、約13万件確認されました」と。「おそらくお子さんの口座がないから、お父さんお母さんの口座にした。家族の口座をひとまとめにしようとされたのでは」とも。一方、小さい子どもを持つ親は、「口座名義が本人でないとダメだとは知らなかったです。とりあえず、私か主人の口座を使って。まだ、子どもの口座を作ると考えてなかった」と。

 

親の年金や生活費で日々を送っている成人した子世代のことがニュースに上がっています(親死亡を隠している例も)。しかし今でも成人後も世帯単位で動いてきている日本の家族社会です。"世帯主"の口座で"家族の収入"を一元管理するというのは当たり前というご家族もあるのでしょう。「制度の事前周知不備」の結果というのは理解できます。

 

私の親は、命名が済み出生届を出すとすぐ、郵貯に私の口座を作ったそうです。戦時中だったせいかもしれませんが。しかしその後20数年経ち、1歳の孫と一緒にレストランに行ったとき、私が哺乳瓶を出していても彼女の飲み物を別注し、「この子もお客だよ」と私に言いました。1人分の人間としての存在の重さを教えてくれたのでしょう。今もその時の父の言葉を重く受け止めています。おかげで子育てに於いて子供との関係・距離等を考える時の指針になりましたし、今でも役立っています。

 

これは親の生活を見守る時期が来た時の指針にもなりました。遠距離介助で、当時は成年後見人制度もありませんでしたが、実家の家計管理と私の金銭管理と混ぜることはしませんでした。おかげで爽やかな人生になったように思っています。

 

【参考】

公金受取口座を利用して受け取ることができる給付金等(デジタル庁HPから)

 

〇年金関係 〇税関係 〇子育て給付関係 〇就学支援関係 〇障害福祉関係 〇生活保護関係 〇労災保険・公務災害補償関係 〇失業保険関係 〇職業訓練給付関係 〇健康保険関係 〇介護保険関係 〇災害被災者支援関係(※現在公開している情報はありません)  〇その他