◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇
行政の福祉部門の担当者である会員のKさんから、以下のようなメールが届きました。マイナンバー制度やマイナンバーカード、マイナ保険証、スマホ認証制度等々、DX推進政策により、スマホが必携の時代が来ている中、その経費に悩む人は多いかと思います。便利です。そして相対的に考えれば安価です(百科事典、CD、DVD、ラジオ、TV、電話、メール、緊急情報、etc.代替)。しかし利用方法によっては高価です。それよりも深刻なのが日常生活の信頼性・必要性・等々、今やスマホは日常生活に必須と考えています。
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誰でもスマホ(旧リスタート携帯)」というものを紹介します。
私は4月から生活困窮者の方々を支援する施設に移りました。施設では大手携帯4社ブラックや身分証がないなど、一般的な契約ができない方々のための契約先を紹介しています。
このところ、年齢や性別に関係なく「身分証なし・口座なし・クレジットカードなし」といったいわゆる一般契約が出来ない方々が増えています。以前はプリペイド携帯を紹介していましたが、最近では内容が充実したスマホプランを紹介するようになりました。(2~3年前よりも内容・料金プラン・機種選択も充実しており、格安スマホと同等程度のサービス内容となっています。)
特に生活保護受給の方々は福祉事務所の窓口で、今回ご案内した「誰でもスマホ」を紹介される機会が増えています。言い換えれば行政お墨付きといっても良いのではないでしょうか。申込書と住民登録地を証明できる書類(身近なものでは住民票など)、あとは初回手数料があれば契約は可能です。私が勤める施設ではDV被害など、住民票を発行するのが難しいケースもあるため、その代わりとして生活保護受給者証をよく利用しています。スマホ本体が書類に記載された住所に送られてくるためです。下にリンクを貼っておきますので参考になさってください(リスタートで検索していただいてもヒットします)。
「一般社団法人リスタート」 (re-start.or.jp)
生活保護・困窮者の方々と一緒にされたくないという意見をお持ちの方もおられるかもしれませんが、私は個人的にはよくできたシステムだと思っています。契約時に購入するスマホ本体は格安のため中古品となりますが、シムフリー端末のため、契約と合わせて購入してもよし、これまで使用していた本体でもよし、新品が良ければヨドバシカメラやビックカメラなどで本体だけ購入してもよし。基本はドコモの4G回線に対応している端末であればどれでも構いません。最近は楽天やアマゾンでも新品・中古品が多数販売されています。
また「誰でもスマホ」はありがたいことに「ガラケータイプ」の機種を販売しているため、スマホを使いたくない人も安心して契約できます。代金もコンビニ支払OKなので口座やカードがなくても大丈夫です。(同時申込可のWIFI契約はかなりリーズナブルですし、提供される端末も人気機種です。)
今や契約や信用には固定電話よりも携帯電話を求められます。金融機関やJR・私鉄のICカードも、「どうぞすべてスマホでやって下さい」の時が間もなくやってくるのでしょう。ATM・改札機・券売機・レジスターの維持管理は企業コストの圧迫となっていますし、メンテナンスに関わる人件費もかかります。コスト面では銀行の通帳やICカードの発行も同じです。スマホならすべてが持ち主次第なので、紛失時も企業が再発行を保証する必要はなくなります。あとはアプリの安全性・信用性や通信状況次第です。こうなると、いざという時のタンス預金を少々準備しておけばよいのかもしれませんが、今ではタンス預金も強盗や殺人に巻き込まれる時代になりました(本当に間違った自己責任だと思います)。
定例会では賃金と物価というテーマも取り上げていますが、物価上昇に伴って賃金も上昇する、あるいは物価維持なら賃金も維持、これでなければ生活が苦しくなります。また失業率もさることながら大切なのはその内容です。雇用形態が派遣を代表するように契約社員(有期)であれば、労働者にとっては決して良い状況ではないです。稼働年齢(18~64歳)の税金・社会保険料負担は悲しいほど負担割合が高く、ささやかな昇給があっても社保負担額がそれを上回るため、何時になっても手取りが変わりません。同じ職場の若年層はイデコやニーサ、投資信託でも行わないと将来が心配という気持ちがよく分かります。
また、不要な生命保険の勧誘、投資セミナー、新興宗教などに引っかからないようにすることも大切ですね。あとは副業(コツコツ投資・バイト・ポイ活など)で稼ぐことでしょうか。
世界大戦でも起これば景気の流れが一気に変わるのでしょうが、誰もそのようなことは望んではいないはずです。今は本当に危ない時だと思いますし、国内の格差がますます広がっていることを仕事柄とても実感しています。
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≪石川の蛇足≫
河野大臣は5月9日の会見で「5月11日から、マイナンバーカードを読み取らずとも、Androidスマートフォンからマイナポータルへアクセスできるようになる」、「暗証番号の入力が不要になり、スマートフォンの生体認証でマイナポータルへアクセスできる。利便性が上がるのではないかと思う」と話されました。当初はマイナポータルを使ったサービスに対応し、その後は口座開設や携帯電話の契約、キャッシュレス決済の申込みといった民間サービスにも順次対応していく。河野氏は「早ければ5月中にも民間サービスで対応してもらえる」とコメントしました。
今後の予定として、マイナンバーカードを活用した証明書のコンビニ交付サービスは、年内にもスマートフォンのみで利用できるようになるという。また、来年の4月には、マイナンバーカードの健康保険証としての利用について、カードがなくてもスマートフォンのみで利用できるようにする、と。なお、iPhoneでの利用に関しては「早くやりたいと思っている」(河野氏)。
河野氏は「スマートフォンひとつでいろいろな行政の手続きができるよう、関係省庁と調整していきたい」と語り、今後への意欲を見せました。
「新たなデジタル犯罪」は起きないのでしょうか? 体験してきた世界と異なる「異次元の犯罪」に庶民は遭遇しないのでしょうか? 「本当に1人も取り残さないサポート」が準備されているのでしょうか?
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