No.428◆恒例の「春闘(春季労使交渉)」が始まりました 

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

1月23日、経団連と連合のトップによる会談「春闘(春季労使交渉)」が持たれました。“春闘開始”のゴングが鳴り響いた!と思うのは私だけでしょうか。

 

でも、この会談はどんな効力があるのでしょうか…。報道によると、経営側の経団連は問題意識や方向性などはほとんど一致しているとして賃上げを前向きに検討するよう企業に求めている、そうです。連合は、定期昇給とベースアップ合わせて5%程度の賃上げを求めているそうです。これは28年ぶりの高い水準とか。雇用形態や性別などによる格差の是正や中小企業も賃上げできるよう取引価格の適正化を進められるかも焦点で、慎重な姿勢とか…。

 

国際的な雇用環境を目指している企業は早々と目を見張るような給与体系を披露していますし、インバウンドという外国の状況に作用される業界からは、賃上げは国際情勢を吟味し成果を見てからと言っています。経営団体側が一斉に賃上げを要請するには今春は無理があるようです。賃上げは産業により、企業により、継続を前提とした経営の下で決定されるのですから、団体が強制する訳にはいかないのですから。

 

なんて言ってる私はこの問題には外野席の無職です。でも年金機構の財政は投資環境に影響されます。このような投資機関を“クジラ”と言うのだそうですね。このクジラと呼ばれる投資機関は日本には5頭いるのだとか。私はクジラの研究は難しそうでしていませんが、ささやかな手持ちの株式が上がると喜んで夕食を弾んでいます。日本の企業の業績が上がり、金融市場が好決算をし、年金機構にゆとりができて年金の減額などという事態も起きず、私の少額の金融資産にも配当や利息が増えれば、少しは消費意欲も湧くのですが、ねぇー。

 

金融界のある社長は「2000兆円を超える個人金融資産の大半は高齢者が保有している。高齢者には投資よりも消費を喚起することが必要との視点から資産活用を考えたい」(2023年1月19日付け「日経新聞」)と論じています。また「個人金融資産は25年前の1300兆円から2022年は1.5倍の2000兆円超えとなった。この間、日本人勤労者の平均所得は5%以上減少している。これは年金受給者を含む高齢者の多くが、支給された年金の一部を貯蓄に回しているからだ」と(同紙)。

 

私が老後資金を考え始めた30年ほど前は、10年定期の預貯金金利は10%を超えていました。現在はどうですか? その間に「人生百年時代」と言い、寿命が15年近く伸びました。この有難い長寿を自力で楽しむのに必要な裏付けが心配なのです。高齢者が安心して消費支出ができる社会を現役の方たち、作ってください。