No.405◆母親の私が「宗教」を恐怖に思った時があった…

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

安部元総理が射殺されてから又クローズアップされている「旧統一教会」は、私には想い出があります。それは東京へ転入した45年程前からのことです。

 

小学生の男児と中学生の女児を連れての転居でした。この子たちの校外教育(塾・稽古事等)はほとんどが渋谷駅周辺でした。そして私の活動拠点や個人事務所も。その頃のこの駅前には「オウム真理教」と「統一教会」が派手な活動をしていました。その活動のターゲットが“学生・若者の獲得”と言われていました。新聞や雑誌でそれらの活動レポートを読むにつけ、この駅前で“うちの子”が捕まったらどうしようとの恐怖心でした。子らと一緒に居る夕食時やお出掛け時には折に触れ、「信教の自由」や社会的な意義や影響を考える余裕もなく、「近寄らないように」、「スルーするように」と言い聞かせていました。そして「心配や不安」は「神や仏に帰依すれば救われる」と言われても、「見知らぬ人に分かる訳ないでしょ。お仏壇やお墓でなら相談すれば、ご先祖さんは味方してくれると思うけどね」等々。

 

そんな時期に私は「世界日報」のインタビューを受け、写真入りで紙面に載りました。内容は「教育分野における男女平等」。その関連のNGOで世話人と事務局をしていたからでしたが。その紙面を見た旧知の某テレビ局のディレクターが慌てて来てくれ、事後策を話してくれました。私は「世界日報」が「統一教会」広報紙とは知らずに、のことでした。

 

私が特に心配したのは「合同結婚式」でした。教団内婚制で、教祖のインスピレーションに従って信者同士(韓国人男性と強制的に日本人女性)と結婚させて韓国の血の入った子で原罪のない子を産ませることで、「日本の穢れた血」を浄化するという教えでした。この合同結婚式によって家庭を持った日本人の信者数は10000組を超えていると資料には出ていますが、「両性の合意」に寄らなくても神の意志が下りてくる教祖夫妻の司式で幸せな今が続いていることを祈りたいです。

 

我が子たちはその後も私が心配するようなことも無く、今も渋谷駅経由で通勤しています。一方私は「八百万の神々」を頼っています。先週末は京都の「祇園祭」に行って、疫病退散のお守り「ちまき」を受けて来て、コロナ禍から逃れようとしています。旧街道歩きツアーの前日には“てるてる坊主”とご先祖様にお願いしています。