No.402◆「アフターコロナ」になったのでしょうか?

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

6月の定例会(26日)の東京の最高気温は36.2℃で、真夏日というよりは猛暑日でした。会場の渋谷駅近くは百年に一度という大開発中で、次々と建つ高層ビルの窓ガラスの反射熱と、谷底と言われる地形では空気が滞留して、きっと公表値36.2℃を上回っていたのではないでしょうか。人の流れは完全に「アフターコロナ」! テレビでよく見るように皆マスクを付けて元気に大群が行き交っていました。そして今日、「梅雨明け宣言」が出ました。

 

隠遁生活を2年以上も続けていた私もようやくツアー予約を入れるようになりましたが、その間に社会は大きく変わっているのだそうですね。会での話題では、飲食店もイベント会場も予約制が多くなり、スマホで予約、スマホで決済、コロナワクチンの接種状況もスマホ画面で提示すればよいとか。スマホと相性の悪い私にとっては住み難い社会になってきたようです。パソコン画面を印字して持ち歩くというのはどうも時代遅れになったようです。

 

私は眼鏡を取り出して太い指先でゆっくりとタップしながら画面を選んだり、恐るおそるダブルタップしたり、スワイプしたり…。確信が持てないままに操作して次の要件に進む…。疲れるー。パソコンを抱えて歩きたいよー。

 

かつては「紙」で持ち歩いていた各予約状況や証明をスマホという手のひらに乗る機器で持ち運ぶというのに慣れないと、美術館・博物館・映画館・劇場・アミューズメントパーク等々、鑑賞できなくなるのでしょうか。DX推進かどうか知りませんが、日々目にする詐欺や犯罪にこのような機器を使ったらしいニュースを見聞きすると、一人でスマホの操作練習をしている私は出した足を引っ込めたくなります。

 

国を挙げて「誰ひとり取り残さない社会」だの、「誰ひとり取り残さない教育」、「誰ひとり取り残さないデジタル」と、上から目線で国民に向けて言っていますが、取り残されそうな大海の中で沈まないようにもがいているのは私だけでしょうか。

 

40年来のお付き合いの一人住まい“姉上”は、「私は挑戦しないわよ」と早くもギブアップ宣言をしています。遊園地・美術館・博物館・映画館・劇場・アミューズメントパーク等々、情報通だった彼女が、「アフターコロナ」になっても“尼僧”のように今の“庵”に留まって読書三昧の日々で活き活きとした生活が続けられるのでしょうか? 「人生百年時代」ですよォ~。

 

「アフターコロナ」はもう来ているのかもしれません。国を始めとして行政は社会のDX化を進めていますが、今の日本の高齢化率を考えるとき、「誰ひとり取り残さないデジタル」という目標のため、「取り残ししそうな」人々に学習を強要するだけではなく、フォローする政策も考えていただけないものでしょうか。