◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇
確かに百歳を超える長寿の人は増え続けています。単身けんの会報で今取り上げているのは、政府が近年頑張っている政策「人生百年時代を生涯現役で過ごす」です。
2021年9月1日時点の住民基本台帳に基づく100歳以上の高齢者数は8万6510人。これは51年連続の増加。100歳以上人口は圧倒的に女性が多く、全体の88.4%を占めた、とか。“長寿”は人類の歴史で一番の関心事で「寿ぐべきこと」のトップでしょう。我が日本国は世界に誇る「長寿国」です。愛でたいことです。
が、次のデータと考え合わせると…
厚生労働省統計(2019年)では、
平均寿命(年):男性81.44、女性87.47
日常生活に制限のない期間の平均:男性72.8、女性75.53
日常生活に制限のある期間の平均:男性8.86、女性12.21
現時点では、女性の生涯収入は男性よりも少ない人が多いことでしょう。遺産相続も。単身仲間として私は暗い未来を考えてしまいます。「日常生活に制限のある期間」は健康な期間よりも経費が掛かります。家族又は複数人と日常生活をしていれば無償の支援も受けられるでしょうが、単身生活者はすべて有償の支援を想定しての計画となります。
また、家族又は複数人と日常生活をしていれば受けられるかもしれない無償の支援も、高齢社会ではどのような事態になるのでしょうか。今でさえ、“老々介護”とか“ヤングケアラー”が社会問題として上がっていますが…。
ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットン、アンドリュー・スコット氏は『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』でこのように提唱されています。「これまでの人生設計は『20年学び、40年働き、20年休む』という『教育・仕事・老後』の3段階が一般的であったが、100歳まで生きることが一般化する社会では、年齢による区切りがなくなり、学び直しや転職、長期休暇の取得など人生の選択肢が多様化すると予想している。」
政府が2021年6月の「骨太の方針」でリカレント教育の抜本的な強化を盛り込んだこともあり、企業が社員の学び直しを後押しする制度を相次ぎ取り入れています。今所属する企業のプログラムだけでなく、公的な支援プログラムも検索してみる価値があると思います。
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