No. 386◆コロナ禍1人暮らし高齢者リスク「お口のフレイル」

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。

 

「すこやか歯科健診」という区の制度を利用して「お口の健康診断」に行ってきました。昨年ガタが来た歯の治療に通ったので、今回は心配することなく受診しました。「プラークが溜まっているところがあるから、“大掃除”に来てください」ですって! まあこれは予想通りなので予約をしました。

 

「エッエー、そんな現実があるのですか」とショックだったのが、コロナ禍による口腔内機能の劣化です。なんと自粛生活で活舌が悪くなったり、嚥下障害が起こったりしているというのです。嚥下障害になると、誤嚥性肺炎で…。この口腔内機能検査では、バタカテストと言うのを受けました。10秒間で「バタカ」と何回言えるかという検査。続いて「バ」を、そして「タ」、「カ」と、順に早口言葉みたいに言わされました。この口腔機能活舌の検査と「ブクブクうがい」ができますかと言う質問も。どちらも◎でしたが、コロナ禍による「フレイル」は身体機能や認知機能だけでなく、高齢者に多く見られる誤嚥性肺炎のリスクも高まると言うのですね。

 

「不要不急の外出自粛要請」が出て、もう3年目に入りました。インフルエンザとは異なる“疫病”と言うことで、持病や基礎疾患がある高齢者は特に“三密”を避けるように言われました。それをまじめに守るために私は、1人住まいの自宅に閉じこもって、生活必需品(主として食品)購入と早朝の公園でのウォーキング以外は、奥山の尼寺の修行尼の如く過ごしてきました。人口密度の高い東京の住宅地に居住しているにもかかわらず、お隣の人ともLINEやSMS、パソコンのメール等で文字会話し、リアルな会話はできるだけしないようにして暮らしてきました。そんな謙虚で従順な日常生活が私のただでさえ残り少ない健康時間を邪魔しているなんて、許せない!

 

コロナ禍でみんな引きこもっていて、1人暮らしの人なんか誰としゃべるのよ! 「お口のフレイル」になって、認知症にもなって、これって大変なことになるわよォ~。私もメールばかりで、めったに電話なんてかけないものね。どうしよう…。テレビを相手に歌番組で合唱したり、お笑い番組で声を出して参加したり、タレントのダンスに合わせて踊ったり…。旅番組と歴史解説ばかり見ている私にはこんなのできない! この悩みに付き合ってくれそうな彼女に明日にでも電話してみようかしら。