No. 358◆働き方改革!「ワーケーション」は素晴らしいか?

「ワーケーション」をしたことがありますか? 私はあります。それはかなり昔・30年ほど前、幾つかの情報誌や機関紙の編集や原稿執筆もしていた頃のことです。オフィスに居なくてもできることが多く、関西在住の親たちの家庭訪問や家族サービスの小旅行の付き合いで、マイカーにはワープロを積んで移動していました。しかし締め切りがあるので、ワープロで印字して出先のホテルなどからFAXで入稿していました。携帯電話も便利で、オフィスの電話も自宅の電話も携帯電話に転送をかけていましたから、仕事と家庭の両立ができていました。

 

今はノートパソコンがあり、スマホがあり、職種にもよりますが、どこにいても仕事ができる、しかもそれが公的に奨励されるようになったのですから、ありがたいことです。当時は兼業主婦だからとお目こぼしのようだったと思います。ところで「ワーケーション(Workation)」とは、「ワーク」(労働)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地でテレワーク(リモートワーク)を活用し、働きながら休暇をとる過ごし方をいいます。在宅勤務やレンタルオフィスでのテレワークとは区別されています。新型コロナウイルス感染症の流行に伴う「ニューノーマル」の奨励の一環の働き方改革としての位置づけのようです。

 

「ワーケーション」の報道は、カッコいいです。仕事もレジャーも、豊かな自然環境や落ち着いた雰囲気の中で働くことで癒され、創造性や生産性が高まり、滞在地にとっては交流人口の増加や地元消費に伴う経済効果が期待されています。テレビ映像ではCMかかトレンディドラマのワンシーンのようです。しかし問題もありそうです。日本では労働基準法で雇用主側が勤務地を定めることになっていて、在宅勤務や自社保養所であれば問題ないのだそうですが、無関係な場所やワーケーション先を転々とした際に事故などがあった場合の労災認定が難しくなる、ということが起きるそうです。一般的なテレワーク同様に、仕事と休暇の線引きや勤務時間の認定が難しいといった勤怠管理の課題等、解決されていない事項も多いとか。会社員、契約社員という働き方の人は待遇チェッが必要なようです。