No. 337◆「間接接触」で良い関係を維持するには...

新年の私の楽しみの一つは、いただいた年賀状の添え書きを読んで、その数文字から相手の近況を推し量り、安堵したり同情したり、昔日を思い出したりすることです。お付き合いくださる方の高齢化という事情もありますが、今年はご自身の “希望” “計画” “決意” 等々、前向きなコメントがほとんど見当たりませんでした。かく言う私も「コロナ禍」関連の “自粛” 宣言に近い、内向きな一行になっていましたが・・・

 

明るい話題を渇望して迎えた元旦でしたが、虚子の俳句「去年年...」にあるように「貫く棒の如きもの」を実感する年明けとなりました。そして、政府や行政府はいよいよ新たに「緊急事態宣言」発令の準備に入ったとか。現時点では1都3県のみのようですが、全国的に影響が及ぶのは必然の事態です。

 

日常生活維持のための業務は維持しつつと言うことのようですが、何が

「不要不急」の事かの判断は難しいのではないか、と思うところです。

健康維持のため、毎日商店街への買い物を日課にしているという高齢者や、1日1食は外食と決めて、会話機会づくりに外出している自宅が仕事場という人。これらの人たちにとっては「不要不急」とは言われたくない事なのです。歩くことが目的ならば、人通りの少ない道を選んで歩けばよく、会話がしたければ、電話やリモートで顔を合わせればいいでしょ、と言われるところでしょう。しかし「間接接触」で心が満たされるでしょうか。

 

今回「緊急事態宣言」が出される予定の地域は年齢性別に関係なく、単身

世帯の多い地域です。「間接接触」を1ヵ月も続けていれば、孤独感や孤立感で心身が壊れそうにならないでしょうか。まるで修行僧や修験者のような日々です。修行僧や修験者には指導者や伴走者、支援システムが整っています。決して1人ではありません。

 

「間接接触」で過ごす日々の支援システムを広報してほしいのは私だけで

しょうか。備蓄食料の他に、買い込みすぎた正月用食材がまだ冷蔵庫に陣取っていて、まかないご飯に慣れた私は食事に困ることは当分ありません。しかし、食べ物に困らないだけで長期間 “籠れ” と言われても...。せめて忘れられた存在にならないように、電話やメールで「間接接触」

だけは心がけるようにします。

 

ブログ目次へ