旧盆が来るたび思い出す言葉「実家へ帰れない・・・」 

 今年の旧盆・夏休みは9連休! 高速道路はじめ交通情報がテレビのワイドショウだけでなく、定時ニュースの中にも組み込まれて、大移動のお得情報を伝えています。今の私にとっては懐かしい風景ですが。

 単身けんが発足した30年近く前、会員から聞こえてきた言葉に私は衝撃を受けた思い出があります。

「親類がいっぱい来るからあんたは時期を外して帰ってきてね」。「みんなが帰って来るから、顔を合わすのが嫌でしょ。暗くなってからの方がいいよ」。「孫や子供の話ばかりだから、あんたも肩身が狭いでしょ。無理して帰ってこなくてもいいよ」。

 これらは母親やおばあちゃんが発した言葉です。思いやりなのでしょうか、未婚者差別なのでしょうか。

 「そう言われても周りはみんな義理堅く実家や故郷の盆行事のために帰省

してしまうし、会社は休みだし、商店街も居酒屋も食堂も夏季休業だしねぇ

・・・」と行き場がないという会員の声を多く聞きました。

 私と言えば、帰省しないと心配する親たち親戚の手前、お土産と着替えを

積み込んで毎年恒例の高速道路や国道の車列に並んで、ブレーキランプを点

し続けていました。

 

 マスコミは相変わらず孫と祖父母という映像を移し、“ 帰省 ” をメインに

報道していますが、今は “お盆” というよりは、夏季休暇というとらえ方が

多くなったようで、血縁に縛られることも減っていると思います。帰省より

もレジャーという人出の方が多いように思うのですがどうでしょうか。

 

「家族の絆」は大切だと思います。しかし家族と言っても自分に都合の良い

人だけを “絆” で繋ぎ  “柵” で囲い、そうでない人は排除する、という風潮

はないでしょうか。

  帰省が義務でなくなり、夏季休暇を楽しむ人が多くなって、未婚者や性的

少数者の行き場所が広くなってきたことは嬉しいことです。もっと望むこと

ができるならば、夏季休暇が自由に決められるようになればよいのになぁ、

と思います。

 

 

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