「“出る”を制す」というのは私の実家の家訓のようなものです。祖父が言っていたもの。それを祖母が口癖のように言っていた言葉で、「入る勘弁より、使う勘弁」。長い間「馬耳東風」と言った私でした。意味は祖母から「耳タコ」状態で聞かされていましたから、言いたいことは分かっていました。しかし「勘弁」という言葉が本当は分かっていなかったのです。
私の「勘弁」という言葉は「勘弁して」という許しを請う言葉だったので「?」でした。「勘弁」には「やりくりが上手なこと・数理に長ずること」という意味があったことを知ったのは50歳を過ぎてからでした。
また“関西系”の実家には「外のことはケチったらあかん。そやけど家は
始末せんとあかんでぇ」という言葉もしばしば発せられていました。三世
代同居の6人家族だったので、多分かつかつの日常を送っていたのでしょう。
(始末とは倹約の意)
昨今はビジネスパーソンとも言うそうですが、何百年も雇用労働者家庭だ
った家系では、「入る・収入」は固定で、「出る・支出」は裁量だったから
でしょう。衣食住、生活のための支出をやりくりして豊かな生活を創造する
のは「家族の知恵」だったのでしよう。
年金生活になった今、「入る」を増やすのには投資しかないので、併せて
私は実家の言葉を思い出して「始末・倹約」生活をしています。それを助け
ているのが “生活技術・家事能力” です。安い食材は好みの味でおいしくし、
着るものは組み合わせを楽しみ、部屋は季節の移り変わりに合わせて小物を
置き換え、有り余る時間を自分の楽しみに使っています。
かつては労働時間の創出に、クリーニング屋さん、食品の宅配、中食の利
用、便利家電の購入等と時間をお金で買っていましたが、今は時間でお金を
創出しています。
こういう高齢者が増えるとデフレ脱却は遠くなるかもしれませんが、廃棄
物が減り、地球環境には好影響ではないでしょうか。健康なエコ婆さんでい
られるように、脳活も頑張ります。
(先日「認知機能検査」を受けました。“ 問題なし” でした。ホッ)
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