5.31発行の「単身けんニュース」は、私の「自宅での看取り」体験談でした。
病人が治らない状態で○ヵ月程という余命宣告を受けた時点で、最後の場所はホスピス病棟か自宅しかないということが分かりました。では、できるだけこれまでと同じ状態の環境で、見慣れた風景の中で次世界へ送り出そうと私が決心をしました。しかし、あまりにも突然のことだったので、本人はどれほど理解していたかはわかりませんが本人の承諾も得ました。
苦痛をできる限り和らげる施術が体力と相談しつつ進み、退院の日が迫ってきました。担当医師の説明では、悪化する
ばかりではなく、体力が持ち直す場合もあるから、様子を見ながら進め
ましょうとのこと。がん治療は、外来へ通うくらいの体力がないと、抗
がん剤や放射線治療などはできないと教えてくださいました。(この病
院は厚労省の地域がん診療連携拠点病院(高度型)で、緩和ケアの部門
も有する病院です)。
在宅療養を決めていたので、環境整備に取り掛かりました。まずは地
域包括センターへ出向いて介護保険の受給申請です。何よりも重要なの
は医師です。そして看護師です。
訪問診療医という看板を見たことがあるので、往診をしてくださる医師
がいることは知っていました。そして訪問看護師という分野の有ることも
知っていました。しかし専門が何なのか、どういう病状に対処できるのか
わかりません。それを知る手掛かりはやはり“地域がん診療連携拠点病院”
ではということで、相談室に伺いました。ありました。
「どのような医師がいいですか?」、「消化器内科が専門で、腹水を抜く
ことができて、緩和ケアのできる資格のある医師」と言いました。
すぐに推薦してくださいました。そして連絡を取ってくださいました。
「看護師さんは?」、「その先生と連携して行動が取れる方」と言います
と、その医師に連絡してこれもすぐに決まりました。
自宅での看取りが難しくなった最大の理由は、自宅まで来て医療行為を
してくれる医院が見つからないことでしょう。しかし、今はどこにいても
連絡が取れる時代ですし、容態も知らせることができます。私もこの医療
チームとは “365日24時間対応 ” という契約をしました。本当に心強く、
安心して在宅療養に移れました。
*在宅医療は「訪問診療」と「往診」のふたつに分類されていて、訪問診療は
計画的に組まれた医療で定期的に医師が訪問するもの、往診は急に体の具合が
悪くなった時に連絡し、来てもらうことを指すそうです。
私はその両方ができるように契約しました。
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