老いの自立を考えると・・・

 脊椎骨折から2ヵ月が経とうとしています。コルセットで上半身が固定されているため、置かれたものを持ち上げるのは非常につらいです。100円ショップでも売っているハンドキャッチャーはごく軽いものを取るには便利です。しかし、日常生活となると水の入ったものなど特に重さのあるものも動かさなければなりません。背中に痛みが走らないように重さを調節して恐る恐る持ち上げて移動しています。この頃では2リットルボトルくらいはOKです。ずいぶん生活レベルが上がってきました。

 

 初期の頃は靴下が履けない、足の爪が切れない、風呂上りに足の指の間が

拭けない、トイレに行けばお尻を拭くにも手が届きにくく一苦労。足腰に

不具合が生じた人の苦労話を聞いていたのに、いざ自分事となるとその経験

談が生かせられなくて何とも情けないことです。

 

 初期は骨折の痛みだけでなく、骨折を引き起こした瞬間の筋肉の頑張りに

よる上半身の筋膜炎が相当に痛く、小さな動きにも思わず声を上げていまし

た。その頃は家人が末期だったこともあり、医師や看護師だけでなく人の出

入りが多く、傍にいる人に何かとお願いして何とか時を過ごしていましたが、

いざ1人暮らしになってみると、「ちょっとお願い」と声をかけようにも人

がいない。頼むとなるとかなり前から予約することになります。

 生活アドバイザーという呼称をいただいている私ですから、一つ一つの困

りごとに対する解決策はかなり知っているつもりでした。が、生活という一

つ繋がりの動作、作業、それらが考える間も置かずに瞬間に起こるという事

態への対応は盲点でした。

 

 「幼いころの自立は、できないことを一つずつできるようになること。

老いの自立はできていたことを一つずつ他者に委ねていくこと」と自覚して

いた私ですが、一度に委ねる事態になった時、どうするかを考えていなかっ

たことに気づかされました。「いつでも声をかけてね、お手伝いするから」

と言ってくださっていた知人たちも、すぐには飛んでこられない状態になっ

ています。

 

 ではどうするか・・・。介護保険のサービスもありますが、すぐに頼める

ようにケアマネさんと知り合いになっておくということも大事でしょう。

しかし今回の私のように、急に1~2ヵ月くらいの支援が必要になったとき

はどうするか。今私が考えているのは、何でも自分でしてしまうことで、他

者にオーダーを出すのが下手なことに気が付いたので、家事サービスを利用

する体験をしておくことです。気持ちよく作業をしていただくための手順や

言葉遣いを考えていきたいと思うこの頃です。

 

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