今年の東京大学の入学式での上野千鶴子名誉教授の祝辞が話題を呼んでいます。そのおかげで、私もその全文を読ませていただけました。
感動しました。但し、話題になっている個所ではありません。私の過去の出来事と照らし合わせてのことです。その箇所とは、
「そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげ
だったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら
報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたち
を励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめ
てくれたからこそです。
世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひ
と、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、
「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじか
れるひとたちもいます。」
私は10代に、直らないと言われた病気を抱えていましたが、家族は私の思
うとおりにさせてくれました。私の周りは結婚後も同じように、大学や専門
学校に行きたければ行かせてくれましたし、仕事に就くと言えば渋々ながら
も反対もしませんでした。フリーになりたくてなった時も、友人知人は会社
を作ってくれたり、発注をしてくれたりと、力になってくれました。忙しく
て手が回らないとき、頼み込むと手伝ってくれました。凹んでいると、誘い
出してくれました。
私はめぐりあわせが幸運に恵まれ過ぎていたのです。岐路に立つ度、良い
方に進むように道が開かれていたのです。生まれてからこの方、家族親族、
出会った人すべてが、影に日向に支えてくださっていたのでした。
また上野さんと出会った40年以上も前のアメリカからの “Lib-リブ” 運動
や、その頃の「国際婦人年」をきっかけとした “男女平等運動” の時代があっ
たからこそ、家庭以外の活動の場もあり、職業にも就けたのだと思います。
上野さんの祝辞の全文は私たちの時代が経験してきたことばかりです。
しかし、この齢まで生きてきて、「励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、
やりとげたことを評価してほめて」あげられる側に立てるように、今からで
もなりたいと思ったのです。
明日公園で出会ったお子さんにでも、元気の出る言葉をかけられるように
心したいと思っているこの2,3日です。
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