「賃貸に入居交渉をしているけど、緊急連絡先が書けないので困っています。急いでいるので、そちらでお願いできますか」という連絡がよく入ります。確かに単身けんは〝 緊急連絡先お預かりサービス ″ をしています。しかしこのような連絡が入ると一瞬考え込んでしまいます。この方は〝 緊急連絡先 ″ をどのようにお考えなのでしょう。
なぜ〝 緊急連絡先 ″ が必要なのか、その必要性がお分かりではないのでは、と思ってしまうのです。
例えばお友達に「緊急連絡先になってよ」と頼まれたら、「いいわよ」って答えるのでしようか?
そこにはどのような義務や責任があるのか、考えたことがおありなのでしょうか? 名前を貸しただけでは済まないことをご存じないのではと思います。
「〝 緊急連絡先 ″ を書いてください」と言われたとき、その理由をお聞
きになりましたか? 賃貸住居の〝 保証人 ″ 欄であれば、家賃の支払いや
家財を残して行方不明になった時の後始末、退去を求めるような事態が生じ
たときの身柄引き取り等が想定されます。
〝 身元保証人 ″ 欄であれば、善良な住民であることを保証し " 保証人 "
と同等の責任を果たしてくれる人を期待していると思います。
では、〝 緊急連絡先 ″ はどうでしょう。家賃滞納や住民としての諸問題
を起した時の退去要請、家財を残して行方不明になった時の後始末等が契約
書で約束されていて、死亡時やそれに近いときの後見人ということでしょう。
あなたがオーナーだったら、このような欄に記入できない人に借家をお貸
ししますか?
私たちはそのような準備をしていても、公にしにくい事情がある人の一時
的な連絡先になることを解消する先として立ち上げたのです。
また本当に誰もいらっしゃらない方には法的な契約をすることで、それらの
要請に合う対応ができるシステムを作ったのです。 だから即〝 緊急連絡先 ″
をお引き受けすることにはなりません。
「今、要るからすぐ署名して!」と言われてもそれは無理です。あなたの
ご家族やご親族でも同じじゃないでしょうか。
家族や親族でなければだめ、と言われた時代もありましたが、そのような
絆・きずなや柵・しがらみが機能しなくなった現在では、法的に効力がある
方法を要求するようになってきています。
親がいても責任が取れるような状態でないとか、兄妹でも仲が良いとは限ら
ないし、親族と言えども永らく交流がないという例も増えています。
ただ家族・親族が居るというだけでは、無条件で身元の保証にはならない時代
であることを知ってください。
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