“認知症”が起こした賠償は誰が払うの?

 “認知症”に関する報道の中で私が非常にショックだったのは、2010年に認知症の男性が電車にはねられて死亡し、JR東海が家族に振替輸送代など約720万円の賠償を求め提訴した件です。

 家族は認知症ではないかと思いつつも、近くで、または他地域で気に掛けながら、日常を気にしながら日を送っています。病院に連れて行って認知症の認定をとっても、民法に言う親子の相互扶助の関係は変わるわけがないし、後見人を家族の誰かに指定して申請すると、その誰かが責任を取ることになるし・・・。

こんな状況の時、弁護士とか他人さんに後見人を頼んだとして、引き受けて

くださるのでしょうか・・・

 

 私は認知症に掛かっているとは思っていないのですが、“お歳ですし”と

いうことで心配になり、個人賠償責任保険に入りました。足がふらついた

り余所見をしたりなどで、意思に反して他人に怪我をさせたり、物を破損

したりしたときの高額請求に対する保険です。高齢期のリスク対策として、

自動車保険の特約として契約しました。認知症に認定されてからの事故も

これで賄えるのでしようか。認知症が原因の場合、刑事責任としては問わ

れなくても民事では請求されるのでは? と知人は言います。

どなたか教えてください。

 

 そんな中、こんな記事を見つけました。

《認知症と診断された高齢者らが起こした交通事故などの被害賠償をめぐり、

神戸市は、公費から給付金を出す全国初の救済制度を導入する方針を決め、

18日の有識者会議で制度案を含む条例案を報告した。市は条例案を来年2月

にも市議会に提出し、平成31年度からの制度導入を目指す。

 一方、多額の損害賠償請求が見込まれる鉄道事故は、対象に含めるかどう

かさらに検討を進める。

 市によると、制度案では加害者か被害者のいずれかが市民で、認知症患者

による交通事故や暴力行為などで第三者にけがをさせた場合などを想定。

委員会を新設し、救済対象となる事故や給付額を判定する。給付金は公費から

捻出し、上限額は最高で約3千万円を支給する犯罪被害給付制度などを参考に

検討する。》

 

あなたの自治体ではどうなっていますか? 

 

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