「とにかく1人暮らしというのは心配で一杯なのよ! 誰も助けてくれないンだもン!」という電話です。事務局にはよくかかってくる件なのですが、その中身はまちまちです。
今回は、孤独死が心配というのではなく、体の具合がよくない時でも誰も面倒をみてくれない。だんだん年取ってきたら、どうしたらよいかわからない場面が多くなってきて・・・というもの。夫や子供がいる人に言うと、おんなじよ! 家族がいたって当てになんかならないのだから、とみんな言うけれど、おんなじじゃないわよねぇ、と言います。
電話の彼女はずっと1人暮らしですが、兄妹や甥・姪も歩いて行き来が
できる距離で、いつも心にかけてくれていると言います。そして交流も
あると言います。それでも?
同じじゃないけど、頼りにならないのはおんなじかなぁ・・・。
高齢になっても親子同居していられる環境にいる人を、都心に住んでいる
とほとんど例を見ないのです。たぶん、住宅の構造からして大人世帯が
複数同居する設計になっていないのが理由の一つかと思いますが。たぶん
昭和30年に公団住宅ができて以来、家族は夫婦と未婚の子供という “核
家族 ” のスタイルが定着し、今やその“核家族”の中から子供が去り、夫婦
のどちらかが去り、1人になる。ごく自然な現象のように思うのですが・・・
2035年には1人暮らしが48%になるという予測も出ていますね。
問題は1人になった時が高齢期であれば、支援が欲しくなる時期に来て
いるにもかかわらず準備ができていないということなのではないでしょうか。
彼女のように単身生活が長ければ、きっとある程度の心構えができているこ
とと思います。何か気弱になることがあったのでしょう。
そこで私が「何が心配なの? 例えば?」。彼女「風邪ひいても、1人で
寝ているだけしか手がないし、不安よ」。私「あなたのお友達が言っていた
ように、夫さんが何か看てくれるかどうか・・・。昔人間の男は家事ができ
ない人が多いし、看護となればねぇ・・・ どうだか・・・。あなたは相手
を看なくてよい分だけ、気が楽なのでは?」。
誰かがいてくれるだけでもいいという彼女。高齢者専用住宅か、シェアハウ
スなど、共有施設がある住居に移ると落ち着くのでしょうか。
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