前回、“卒業”したら自炊をしようと言いましたら、「無理、無理。単身用アパート・マンションの多くのキッチンは小さなシンクと一口コンロなのよ。調理用スペースなんて無い、ない」。そうなんですよねぇ・・・
近年、といっても6,7年来のことですが、私、“歴女” 入門編の位置にいまして、江戸の町が “単身者の都” だった、って知ったのです。都市建設の担い手は男性で、幕府の軍事的守り要員も男性で、幕政も男性で、
と聞いて、女性の住みどころは、飯盛り女(売春兼業)か大名の婦女子・
使用人、商家の家族・使用人というところかなぁと思うと、男性超過社会
のように思いました。インターネットで調べてみようと思いましたが、
250年の間の変遷も大きそうだし、どの時点でと思うと、面倒になりま
したので諦めました。江戸中期以降の町人レベルでは概ねの男女比は3:2
くらいの感触でした。
町人レベルの話ですが、火事が最大の災難だったようで、各家庭で台所
なんかは無く、共同炊事場があれば上等、今で言う “ ファストフード ” が
日常食。おかげで屋台が発達したようで、「宵越しの金は持たねえ」とい
うより、明日や老後の心配をするような状況でなく、今日一日を1人独力で
生き延びるのに全力で取り組んでいたようです。
昨年は旧東海道を歩くツアーに参加したり、近年は大学の講座やテレビ
の歴史系教養番組を見たりと、ややハマっている私の雑感です。
今の東京も似たような状況なのかしら、と思うことしきりです。学生用、
単身者用として不動産屋さんの情報に上っている物件は、“寝に帰るだけ”
のような造りが多いように思います。建築主がそんな目で単身世帯を見てい
るのかと思うと、人権を無視されているようで悔しい限りです。
もちろん億ションに住む単身者もいらっしゃいます。しかし“単身者向け
億ション”の話はついぞ聞いたことがありません。
単身者向けであってもバス・トイレの他、自炊可能なキッチンくらいは
設計の中に入れて欲しいものです。
簡素なキッチンしかついていない場合は、調理台になるような収納家具か
ワゴンテーブルなどで工夫してみませんか。自炊は経済的なゆとりにつなが
ると思いますけど・・・
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