「お葬式」は迷惑なことでしょうか?

 時々ある内容の電話です。

「終活講座に行ってきたのね。お葬式代を子供に預けておいても、その時になって本当にそれだけで足りるのかとか、現金で預けておかないと預貯金だったら即座の役に立たないし、現金だと“チョイ借り”ということもあるだろうし・・・ やっぱり葬儀会社の友の会の会員になって、希望のコースを指定しておくのがいいかしら。そしたら息子たちに迷惑がかからないし・・・

石川さんはどう思う?」

「私より若いのに、もうお葬式準備なのぉ。何年後の予定?」

「いやぁー、天災も頻繁だし・・・ 準備だけしておけば安心かなぁ、と」

「天災だったら、年齢は関係ないから、息子さんが先かも・・ 意地悪言っ

ちゃった、ゴメン」。

 

 地域の社会福祉協議会の主催講演会だったそうで、子供に迷惑をかけない

ように準備しておこうと言われたから、それもそうよね、と納得したそうです。

 しかし、です。親の葬式って迷惑ですか? 私は親の葬式を4回出しました。

どの親も準備はしていませんでした。4人とも病死でしたから、医師と看護師

の見守りを受けて、死期も宣告されていましたから覚悟はできていました。

だからかも知れませんが、迷惑とは思いませんでした。

 

 それよりも、何も希望を出していなかったので助かりました。残された者

たちの立場や身辺事情を勘案して決めました。もしもこうしてほしい・ああも

して欲しいと言われていたら、それを推し量って、良かれと思って実行してい

ても、これでいいのかなぁ、と迷ってしまい、私としての 「頑張ってお葬式

出したよ」の達成感がなくて、いつまでも迷いを引きずっていたように思います。

 

 お金のことですが、参列者は御香典をお供えしてくださいます。その規模に

沿ったお式にすればよいのではないでしょうか。支払いも事後請求があって

からです。特に葬儀屋さんに運営を頼んだ場合は、タクシーやバスなどの交通

費も後払いです。遺産相続が終わるまで子供や親族が立て替えておくことは可

能ではないでしょうか。

 

 葬式を迷惑なことと考えるのはちょっと違うような気がします。子供や相続

人がいるのであれば、その人たちの気持ちに任せてもよいのではないでしょうか。

もしも “先が見えてきたら ” 1年掛けの簡易保険もありますから、喪主を頼む人

を受取人にして入るのも一手かも。

 

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コメント: 3
  • #1

    RW (土曜日, 11 2月 2017 19:42)

    医療保険のCMが氾濫する中、お葬式に備える保険も増えています。それを見ながら、私も違和感を感じます。
    「子供たちに迷惑は掛けたくないから、お葬式代を残したい」のフレーズには、「そのくらいヘソクリを作っておけよ」と突っ込み、親を見送るのに「迷惑」などとは誰も思わないでしょう!!と思ってしまう
    そんなに心配なら「簡素な家族葬にしてね」とか「好きにしろ」とでも 日ごろ喋っていれば十分だと思うのです。CMに駅前のマンション型お墓を購入しておけば、墓参りの不便さを家族にかけないで済むというのもあります。迷惑さ不便さの心配を早々と始めないと、おちおち逝くことも出来ないなんて、大変ですね。本当に立地が不便で無縁墓必至でしたら、自分達は代々墓から自主独立する作戦を考えるのも楽しそうです。そんなことできたら最初から悩まないと叱られそうですが(笑い)

  • #2

    K.O. (日曜日, 12 2月 2017 15:11)

    終活情報や講習会が氾濫しています。まっ情報収集は大事なので私は主催者が誰かを念頭においてずいぶん講習会ハンティングしてました。昨年母親の葬儀を経験しました。人は100%死ぬので葬儀はするのかしないのか、するならどのようにしたいのかをおおざっぱに決めておくことは必要です。母は甲府の菩提寺に入るんだと前々から言っていました。私は家族だけで送ってやりたいと希望してました。それだけです。弟二人も納得してくれて会社関係の人には事情を話して葬儀は家族だけで行いました。葬儀社もほぼ事前に決めてあったのでお通夜の日(9/2金曜)に細かく見積もりを検討し見積もり通りにスムーズに推移しました。その日、現金も引き出しておきました。死亡が確定したら即銀行が口座が閉じるのは新聞に死亡記事が載るような有名人とか大金持ちです。母のような小口預金者はこちらから申し出て初めて閉じられます。その月の26日には利用していたサービス費等の引き落としがあるのでそれを確認して後、銀行で口座を閉じ同時に残額の引き出し手続きについて説明と書類をもらってきました。納骨の日、甲府の近所の人たちが是非お焼香をしたいとの事なのでお寺での納骨後、家に戻って皆様(15名も来てくださった)のお焼香をうけました。お香典返しは百貨店の特販営業を利用し完了。納骨までの間にライフライン名義の変更やら未払いの年金や恩給の請求、その他諸々の手続きをし、10月初め喪中はがきを出して終了。
    今まで様々な終活セミナーから得た情報からのいいとこどりだったような気がするのでいろいろな講習会参加は無駄ではありません。一つの講習会で聞いた事は一つの情報として他の講習会情報とも比較検討し自分にとって好ましい方向を探っていきましょう。主催者が民間葬儀社なのか福祉関係機関なのか医療関係機関なのか金融関係会社なのか、それぞれ聞くべき点はありますよ。いろいろ決めておかないと子供に迷惑がかかると主張する所があったら「へぇー、そう脅かすのか!」くらいに構えたらいいのではないでしょうか。
    様々な講習会で役立った事を箇条書きにします。
    ①東京で葬儀をしたら、地方の菩提寺によっては納骨を断る所があるそうなので事前に菩提寺に確認を取っておいた方がいいらしい。甲府のお寺では納骨は可能で、亡くなったらすぐ連絡はするようにとの事でした。
    ②できれば知り合い等の情報から良心的な葬儀社を決めておくとよい。そうすればどさくさに紛れて詐欺まがいの葬儀屋による被害をまぬがれる。私の友人がお父上の直送(火葬のみ)でとても親切丁寧で嬉しかったといっていたのでそこに依頼した。
    ③複数の葬儀社から生前見積もりを取るのもいいかも。私はしなかったけれど葬儀にはどんな項目があってそれぞれどの位の金額なのか。生前見積もりにいやな顔をする業者であれば即信用しない。
    ④預金先が複数あると全ての金融機関で口座閉鎖と預金払い戻しの手続きをしなければならず同様の書類が複数要るので面倒。できれば一行が二行に。自動引き落とし先もね。
    まあ、大体こんな所ですが、どうしたいかを決めるのが一番重要です。以上。

  • #3

    イーちゃん (月曜日, 13 2月 2017 06:10)

    葬儀の件ですが、昔は家の跡取りの任務でした。そしてその地域の慣例に従って履行するものでした。戦後家族の“しばり”がなくなり、自由になったように見えますが、地域社会のつながりが濃い地方では、今でも「本人の意思なので」といって、家族葬を選ぶことはトラブルの元になるとか、勇気のいることのようです。
     遠隔地に住む単身の叔父が死亡して、その自治体から「葬儀・死後事務」を引き受けてくれますか」という連絡を受けた私の知人は、もう20~30年も会っていないくらいのお付き合いだったそうですが、「叔父さんなのだから」とその地へ行ったそうです。地域の世話人さんの助言通りに事を進めて無事お見送りを済ますことができたそうです。また費用の自己負担分は相続財産から差し引いて清算したそうです。
     私のように、地域に親族などがいない都会生活者だと、自由に形式が選べますが、地域のしがらみの強い土地柄であったり、社会的な存在を意識しなければいけない人だったりすると、本人の意思や家族の意向だけというわけにはいかないことでしょう。
     近年、お世話になった方々の訃報に接することが多くなりました。かなりのご高齢の場合は家族葬が多いように思います。しかしその場合は、後日の“偲ぶ会”のお知らせが付されています。そのお方の来し方が形になる時なのではないでしょうか。
     私が頼んでいる喪主は、どのようにしてくれるのでしょうか。今どのように社会とつながっているかを常に知らせておかないと、“その時”の判断に困ることでしょうね。