恒例の「恵方巻」を今年も作って、福神様のいらっしゃる方向に向かって、丸かじりしました。そして育った実家を思い起こしていました。
この日は、年齢も身分(長幼の序)もなく、それぞれ太巻きのお寿司を一本ずつお皿に置かれ、「お祝い」したことでした。この平等感、均等感が日常生活の中ではあまりない感覚で、心地よかったのです。
関西の実家で育ちましたので、幼い日の行事としては、小正月の次の美味しい行事で、とても楽しかったのを覚えています。
成人後、転勤で九州や中部、東京都等と移り住んで、この行事が無いことを知り、
関西地方独特の行事だと判り、びっくりしました。その後22年前の“阪神淡路大震災”
の後、創業の地が神戸だったスーパー・ダイエーが被災者に節分の行事食「恵方巻」
を無償で配布したことをきっかけに、全国区の行事になった時はとても嬉しかったの
を覚えています。
今では大進化を遂げ、一本一万円を超える豪華「恵方巻」も売られており、ちょっと
複雑な気持ちです。干しシイタケ・干瓢・高野豆腐という乾物と厚焼き玉子、ほうれん
草、ピンクの田麩、かまぼこと、冬の盛りということもあり、保存食が具でした。
私が作る「恵方巻」にはピンクの田麩は無く、鶏ミンチのそぼろです。実家の家庭料理
を引き継いでいます。
この行事の次は、水洟・涙・くしゃみという恒例行事 “ 杉花粉 ” が始まります。
私がこの症状を得てから40年以上になります。こちらも40年前はニュースにはなって
いませんでしたが、今や定時ニュースに予報まで伝えてくれる全国区の季節症状にな
りました。薬局系のコマーシャルもにぎやかですし、予防薬や防御グッズ、外出時の
服装マニュアルまで教えてくれるようになり、こちらも私はやや複雑な気分で付き合っ
ています。
梅の花、水仙、河津桜、椿等々、春の楽しみが始まりました。あと何回これらの季節
行事に付き合えるのか分かりませんが、今年もできるだけ楽しみたいと思っています。
日本の季節の行事は外国の人にも楽しんでいただいているとか。引きこもり、閉じこも
りから、花粉対策をしつつ外へ一歩出てみます。
コメントをお書きください