年齢とともに変わる不安

 私は65歳になった日、とても嬉しかったので、記念に東京都立庭園美術館に行きました。理由は高齢者として認められたからです。

 65歳! 安心を得た日だったから。住居に困っても、生活費に困っても、申請するのに引け目を感じなくてよいように思ったからです。そこでまずは体感するために行ったのが「東京都立庭園美術館」でした。シニア割引があればどこでもよかったのですが、近くだったから、です。

 本当にシニア料金で楽しめるのか?入れました。半額でした。すでにリタイアしていたので、あぁ老後になった! と実感しました。

 

 その日、元気で何の不安もない状態だったので、シニア向けサービスに感謝

しました。その後残りの日々の長いこと、収入が減り続けることが確定的である

こと、10年もすると医療出費が増加することが確実であること、互助関係が可能

な人間関係が崩れてくること、等々が解ってきましたが。

 入居希望だった有料老人ホームの施設長は、20歳近く年下だったのに他界。

同じく若手で「石川さんの老後は看ますよ」といってくれていた彼の経済不況。

葬儀の時の棺担ぎを当てにしていた若者たちの中に早世する者・結婚等家庭環

境や転職等の変化で離れて行く者、・・・ 

 

 リタイアという自身の立場、環境の変化は、早くから目論んでいた私の老後を

簡単に変えていっています。家族に頼らない生き方を探って活動してきたのですが、

有償であれ、無償であれ、支援先を早くから確保しておいても、30年・40年と続く

ものではないと・・・

 

 「置かれた場所で咲きなさい」という渡辺和子師の言葉が頭をよぎります。

準備したり、情報収集したりは続けますが、“置かれた場所”を確認することの重要

性も身に染みています。

 万全のシフトをしていた知人が、急な身体的アクシデントで、今、ちょっと戸惑って

います。現在、自力で奮闘中です。それを見せていただくに連れ、日頃の覚悟と “ 置

かれた場所 ” の確認の重要性を学習させていただいています。

 

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