「私の最後は誰に頼めば安心していられるのですか?」と言われても

 会員からの電話です。「日本ライフ協会に去年入会したのに、三月末で無くなってしまいました。財産管理から死後のことまでお願いするつもりで入会したのに。この団体に代わるところはありますか?」と。

 見守り業務をしていた公益財団「日本ライフ協会」が破産に至ったということには本当にびっくりもし、大変残念に思っています。NPO法人から出発し、一般財団法人、公益財団法人へと信頼を深めていて、私はとても心強く思っていました。国の公的な監視が付き、運営に安心感を抱いていました。

 

 他に安心して頼れるところは? と言われても、私は推薦できるところが今は

ありません。

 成年後見法に基づく後見業務をしている団体を見まわして、弁護士さんの団体も、

司法書士さんの団体も不祥事の話題は尽きません。行政主導の市民後見人につい

ても、退職後の高齢者が多く、被後見人と後見人の年の差があまりないか逆転しそ

うで、“?”が付きます。 NPO団体やNPO法人は、組織としての存続性や責任の

所在が不安に感じます。言いにくいことですが、親戚縁者だって、相続でもめる話を

よく聞くようでは・・・

 

 報道から察するに、安倍総理を会長に「成年後見制度利用促進会議」ができて、

今国会中に見直し案が成立するのでは、という推測もあり、現時点で慌てて後見

人を選ぶ必要が無いのなら、少し様子見をしていてもよいのではと、私は思ってい

ます。

 事業をしている人が後継者を心配して、また、事実婚・実質的重婚など婚姻関係

や婚外子・異父(異母)などの親子関係、等々の事情を有していて、死後が心配と

いう人でも、急死しそうな持病が無いのであれば、少し時間をおいてもよいのでは?

無責任と言われるでしょうか・・・

 

 1人暮らしなのに、自分が認知症になったらどうなるの? というほどの心配なら

ば、物忘れが始まったな、と思ってからでも間に合うのではないでしょうか。

まずは人目に付く暮らし方をして、周囲の方の支援力に期待してみてはいかがですか?

 

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