「単身高齢者には住む家が無い」というキャッチコピーに惹かれて(というかカチンときて)テレビ画面を見ると、内容は、入院を機に賃貸住宅を引き払い、退院時になって住む家が無い、というもの。それで病院のソーシャルワーカーが住居探しをするものの、すぐ入れるのはドヤ(日単位の簡易宿泊所)だけだったという報告でした。
ここで私は「えっ!?」と絶句。なぜかというと、病院は「住居」ではないので、年金生活している人がどこへ「転居」できたのか? という
こと。健康保険・介護保険もそうですが、住民票と連動しているではなかったのか? と。
転居届を出していないのであれば、その場合は行政からの連絡郵便物はどこへ
届いていたのでしょうか。私の記憶によると、転送届を郵便局に出していても、“転送
不可”で役所へ戻って行ってしまう筈なのに・・・。
役所の担当部署は戻ってきた連絡郵便物をどのように処理していたのでしょうか。
(私の場合、建て替えのため一年近く仮住まいをしていた時、郵便局へ転送届を出し
ていたら、公的文書は「転送不可」ということで社会保険の納入書が戻されていて、
気が付いたら不在者・滞納扱いになっていました)
番組レポーターやアナウンサーは、単身高齢者が増え続けているのに係らず、手を
こまねいていた高齢者行政の施策の不備だと批判していましたが、この事態は「単身」
が原因でしょうか? 「貧困」が原因ではないのですか?
今回の退院時に「行き場が無い」のは、賃貸住宅を引き払った時点で、生活の基本
となる住居をなくしてしまったことに起因しているのではないのでしょうか。
児童の「貧困」は本人のせいではありません。親権者の責任です。一方高齢者の
「貧困」は本人の過去に起因します。今回の報道は、貧困状態の高齢者の中の「単
身者」をモデルとして取り上げていただけで、単身高齢者の問題ではないのではない
でしょうか。
単身高齢者を「問題者」として扱う報道は、誤解や偏見を生みそうで、私はついつい
神経を尖らせてしまうのです。
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