3月31日、東京都渋谷区は議会本会議で、自治体が「同性婚」証明書を発行するという条例を賛成多数で可決、成立し、翌日4月1日施行になりました。そして、11月5日、認定書第一号が出ました。
このことはマスコミで大々的に取り上げられ、その後も「LGBTとは」などの特集が組まれ、理解が深まっていることと思っています。
結婚に関して不利益が生じるから結婚をしたくない、同棲なら、という人
がかなりいる中、結婚と同等の身分保障が欲しいという主張に戸惑いも覚え
ます。なぜなら固定的性別役割分業が、女性の生き方に大きな制約を与えて
おり、育児休業制度や介護休業制度ができても、それらは女性の活躍支援制
度としての捉え方をする人が多く、それらの制度を利用するのは女性の労働
者が多く、男女平等参画社会は一向に進展していません。同性婚の場合は、
どのような分担をなさるのでしょうか。
「パートナー認定」を望んでいる方のインタビューの中で、「家族でない
と病院の面会もできない。愛する大事な人にも寄り添えない。だから家族と
して認めてほしい」という言葉がありました。
単身けんができた最初のころはそういう話はありました。しかし27年も
経った今、聞きません。たぶんこの間に家族の役割が変わってきたからでし
ょう。病人本人が了承していれば、面会が拒否されてよい訳はないと思います。
現在は家族だけで生活が支えられるような環境ではありません。多くの人が
かかわって少しずつ力を出し合って生きていく時代です。いつまでも家族だけ
に頼って生きていく社会を変えたいと思って活動している当会にとって、この
ような告白には同調できないのですが、いかがですか。
私たちは地縁・血縁・結縁だけでなく、知縁の共助や行政の公助を受けなけ
れば心穏やかな生活ができないのではないでしょうか。家族的な私助を頼みと
するだけでなく、個人の生活の社会的支援化も主張してほしいと思っています。
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