「在宅介護って無理でしょ、1人暮らしでは・・・」という会員の声。「いずれ施設かどこかに入らないといけないのよね。いつ決めればいいの? テレビでは元気な内に、っていうけれど、いつなのよ」。
確かにテレビに出てくる識者は、「有料老人ホームへの入居は元気な内がいいですね。引っ越し作業は大変ですから」と言っています。また、「元気な内に入居して、気の合うお友達を作ると楽しい老後が過ごせます」と。
今居るところに一応の納得があるからこそ、なかなか決断が付かないのです
けど・・・。それよりも何よりも、「元気な内」の期限が判らないから悩んでいるの
ですが・・・
私の過去の職業は「セールスプロモーション」、つまり広告業界です。広告は
視た人の心をいかに掴むかが仕事。問題提起・提言はきっちりしますが、その
続きはご自身で自分に当てはめて考えてください、というもの。
「元気な内に」とは言いますが、元気の限界点は言っていませんし、元気の
度合いもお示ししていません。だからいつまでを、どのような状態を「元気な内」
と考えるかはその人の判断なのです。
広告で暗示しているように、自分で引っ越しを指揮し、引っ越し先の高齢者住居・
施設で友人を創り楽しい高齢期を過ごし、寝たきりになっても訪ねてくれる人脈を
築く!
このようなコースが自分の描く未来図なのか、そのような毎日が自分に向いてい
るか、それは広告主の関知するところではないのです。
いつ、どのような住居・施設に移るかは、誰も関与できないこと。今まで高齢期用
に準備してきたこと、資金、人脈、等々を勘案して自分で決断するしかないのです。
別居していても家族のいる人は、その方たちの理解と同意も要ることでしょう。だから
広告で提案できることは、良いとこ取りのメリット部分だけです。 デメリット部分は人
それぞれです。その妥協点は自分で決めるしかないのです。
現状を保ちたい私が移住を考える節目は「介護保険の利用を考える時」と思ってい
ます。つまり、支援が必要になる時です。その時がいつ来るか、予測は付きません。
その日が来ないことを祈っている今日です。
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