当会では、いざという時のために主治医を決めておきましょう、と言っています。理由は体の状態と病歴が判ると緊急事態の時に、より適切な処置が短時間で施され、救命や苦痛緩和に繋がると思われるからです。気の利いた家族がいると本人に成り代わって代弁してくれますが、1人暮らしではそれが望めないからです。また、介護が必要になったときの判定医として、アドバイザーとして必要だと思うからです。
高齢者と呼ばれる年になったのに、まだ主治医が持てていないと
悩んでいる人が少なからずいらっしゃいます。私から言わせれば
「結構なこと」。必要がないからだと思うので。
ところがそうではなくて、自分の理想の主治医と異なるからとい
う人も。またある人は、消化器系、血管系、それぞれの専門医でな
いと心配だから、近くの町医者に掛かりたくないと。これらは大都
市に住む人の贅沢というものではないでしょうか。
私が主治医を持ちましょうと言っているのは、いつ何時でも自分
にとって最高の処置をしてくれる医者を確保しておきましょうと言
っているわけではないのです。自分で自分の体の履歴を自己申告で
きない事態になったとき、血液型や既往症を知っていてくれる医療
機関を作っておくと助かることが多いと思うからです。
このところ心配なのは、都市部では自宅開業という医院が少ない
こと。職住分離で、駅の近くやSC・商店街など、足の便のいいと
ころでの開業医が増え、時間外はどこにいらっしゃるかわからない、
連絡の取りようがない事態が起こっていることです。
だから急変する持病がある人は救急搬入可能な病院を見つけてお
くと安心かもしれません。日常的な不具合や介護保険対応くらいの
期待であれば、歩いて行ける範囲で内科医と親しくしておけばいか
がでしょう。
ちなみに私は双方にカルテがあり、使い分けています。
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