卒年賀状という身の処し方

赤い実 画像

 七草粥を食べ、お鏡餅開きも済んで、日々新年の飾り付けが少なる家の中で、今日はゆっくりと年賀状を読んでみました。その中に、今年限りで年賀状を出すのを辞める旨の一行がある賀状を三枚見ました。どの方も80歳を越した方でした。

 

 年賀状をいつ辞めようかと親たちも悩んでいた頃がありました。全廃するつもりはないのですが、もう長く逢うこともなく、電話でのご様子伺いもない、年賀状だけというおつきあいなので・・・、と言っていました。またいつか会うこともあると思える間は良いのですが、高齢になり、近くの親しいお友だちともなかなか会うこともなくなれば、遠くに住む友から少しずつお別れをしたかったようです。

でもそのことを言い出すのは忍びないようでした。

 

 近頃私がその心境になってきました。かつて自営業に近い会社を持っ

ていて、仕事柄全国にお付き合いがありました。またそれ以前も転勤の

ある家族だったので、11回の引っ越しをしました。だから年賀状だけ

になってしまって、きっともう会うこともない方がたくさんいらっしゃ

います。何十年も前にお世話になった、かなり年上の方も多いのです。

もうすぐ私も古希を迎えますから、身仕舞いをと日々考えている身です

ので、少しずつお別れしていくにしても、心の整理がつかないでいます。

 

 今手元にあるのは

「卒賀状です。長い間ありがとうございました。お元気で。」

という一文が印刷されたハガキ。私も1人ひとりとお別れするのではな

く、自分の限界を知った年に、この一文をまねて終わりにしようかと思っ

た今日です。

 

 

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