「命のバトン」というのは、筒状の容器に緊急時の医療情報を入れたもの。これを冷蔵庫に入れておき、救急隊などの救助者がそれを見て、適切な処置が出来るように、と言う趣旨のものです。これは、独居老人の緊急対策として考案され、採用する自治体が増えています。
最近入ったニュースでは、北陸地方のある自治体で全戸配布を実施
したとか。特に独居高齢者に限定しないで全戸に配布と言うのは、英
断だと思います。なぜなら、同居家族といえどもお互いの医療情報に
詳しいわけではありません。また家族が同居しているといっても、そ
れぞれに活動の場があり、時間帯によっては1人になる時は間々あり
ます。高齢者だけが急病になるわけではなし、乳幼児を含めて全員の
医療情報が、誰にでも分かるというのは安心感があります。
この「命のバトン」のように、冷蔵庫の中と場所を決めて、地域全
体で情報を共有して緊急時に対応しようと言うのは心強い環境になっ
たと言えましょう。
しかし不安もあります。それは空き巣等による情報漏れです。
地域全戸の冷蔵庫に必ず家族全員分の情報が入っているのですから、
オレオレ詐欺や訪問販売業者にとっては垂涎の政策です。
単身けんでは20年前からひとり暮らしの緊急時対策として、住所
・氏名、緊急連絡先を書いた身元証明カードの携帯と、持病や服用
している薬、かかりつけ医、健康保険証の番号、血液型等の医療情
報を記した医療情報カードの携帯をおすすめしています。 また、
緊急連絡先には医療情報カードを渡しておくこともお勧めしています。
1人暮らしでなくても危険は存在しています。公的機関や自治体
が施す対策には、細かいリスク管理をお願いしたいものです。
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