前回43「独居高齢者を問題視するのは問題では?」で、私が「火
災に限らず、緊急事態の時は助けようが無いと知ることではないので
しょうか」と言ったことに対して、「そうよ、助けに戻った人はほと
んど死んでるものね」というコメントをいただきました。肢体不自由
者でなくても、ひとり暮らしでなくても、緊急事態の時は救助を期待
して待つのは危なくて、誰もが自分でどう回避するかを懸命に探るし
かないと言って、「結局自分よ!」で合意、でした。
3.11から9ヶ月を経ようとしています。テレビではそのときの検証
番組が多く放映されています。今週のある番組では、寝たきりの入居
者が多い養護老人ホームの2例を対比させていました。全員無事に避
難させた施設と、多数の死者を出してしまった施設と。どちらの担当
者も必死でした。
視聴者の私は無言。何百年に一度の緊急時に・・・。しかしこの検
証から次の被災時の救助ヒントが導き出されるのであれば・・・
海辺の景色が良く家族に近いホームでも、人里は慣れた山間のホー
ムでも、津波・土石流・火災など災害は予想されます。一人を助ける
のに数人を要する被救助者が何十人といる施設での救助対策では、助
けられない人も出ることや、余儀ない選択も在り得ることの学習や合
意も必要なのではと思いました。
うまくいって当たり前、ミスがあれば糾弾されるだけという立場の
人や職業は沢山あります。それらの方々への思いやりも考えたいと思
いました。
先月初めにあった新宿区の築50年の木造アパート火事の件で、区の
担当者が「火災に限らず、体の不自由な高齢者の独り暮らしは、通報
や避難が遅れるなど日常のリスクが高い」と指摘していましたが「大
半が高齢の生活保護受給者で独居だった」から逃げ遅れたのではなく、
火の回りが速かったから、ではないのでしょうか。3世帯同居の家屋
の火事でも、同じなのですから。
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