「東日本大震災」、こころの復旧はいつ・・・

 3.11。あれから半年が過ぎました。テレビ各局は追悼番組や現状報告

特別番組をたくさん流しています。直後の報道と同じ映像を流してい

たりもしますが、コメントや解説は違ってきています。

衝撃をもって受けた映像でしたが、私たち視聴者の見る目も変ってきて

いると思います。

 

 気になっている福島の知人(1人暮らし)に電話をしました。

手紙を出したのに電話も手紙もくれなかったのです。彼女の性格から考

えて、悪いことが起こっているとしか思えないので、恐る恐る、でした。

 良かったです。すぐに出てくれました。そして30分を超えて話してく

れました。内容は心の問題で、それが遠因となって体のあちらこちらに

不調が出て、生活の建て直しができないようでした。

 彼女の家は大きな揺れからくる被害と、流通や交通など周りの状況に

よる不便・不都合で、不幸中の幸いと言える状況でした。それなのに・・・

 

 訊けば自身の状況のせいばかりではありませんでした。今回の被災地

に住む親戚のこと、被災地外に住む親戚がこの前の磐越地方の集中豪雨

で大きな被害を受けたことなどを話してくれました。

自分の被害が少なかったのでそれらの親戚を見舞って廻ったりしている

うちに、自分のこれまでの不幸や不本意な出来事なども併せて想い起さ

れてきて、心身症のようになったらしいのです。

 

 戦後の混乱期から家族の生活を背負い続け、長年報われないまま頑張

り続けてきた彼女に、私はかける言葉がなかなか見つかりませんでした。

「ねぇ、いままでよく頑張ってきたのだから、毎朝自分を褒めてあげたら。

あなたは頑張ったらできてしまう人だから、引き受け過ぎたり、無理し

でもやってあげたり、また、それができてしまうのよね。自分にご褒美を

あげなくっちゃ・・・」

「そうよね。ほんと。自分を褒めてもいいわよね。ご褒美を考えてみよう

かしら・・・」と。

 

 遠慮しないで電話をくださいと言いましたが、いつ、どんな話が聴ける

でしょうか。

 

  

「事務局のひとりごと」目次へ